船舶海洋工学とは
「海」は地球表面の約7割を占めています。この「海」は人々に津波などの脅威をもたらすこともありますが、人々はこの「海」から多くの恵みも受けています。しかし、今、人はその「海」を汚し、環境問題を引き起こしています。人が「海」を含めた地球の有限の空間を維持し、持続的な発展を可能にするためには、人の活動と「海」の環境の間の相互関係を理解し、人と「海」との調和的共生と資源循環型社会の構築を目指して、「海」に関する科学技術を創造し、賢く利用していくことが大切です。
船舶海洋工学コース・学科目ではこのような総合的観点から、「海」に関する人工物をデザインするために必要な高度で広範な知識を修得し,斬新な創造力を発揮できる人材の育成を目指して教育と研究を行っています。この人工物として、例えば洋上の大規模な風力発電ファームは地球環境とエネルギー問題の改善につながります。また、船による海上物流は、大量の物を少ないエネルギーで効率良く運ぶ唯一の輸送機関として、安全や環境に配慮した研究開発が行われ、最近のアジア地域の飛躍的発展にも貢献しています。
船は「海」の上を自由に走り回る優秀な輸送機械ですが、高層ビルに匹敵する建造物でもあります。このような人工物をデザインするための能力は製造業一般で高く評価されています。そのため、本コース・学科目の卒業生は船舶海洋工学分野に限らす、自動車工業や環境・製造業など広範な進路で活躍しています。
大学院
大学院前期(修士)課程では、配属された各研究室でのゼミナールやミーティングを通して、修士論文の研究を中心に専門知識のレベルアップや研究力の習得を図ります。また、修士論文の作成に加えて、船舶海洋工学コース科目から20単位以上、全体で30単位以上の履修が要求されます。船舶海洋工学コースの特筆すべき特徴は、英語特別コースの学生と一緒に講義を英語で受講するということです。また、国際海事政策重点プログラムや関西海事教育アライアンスプログラムなど、多彩な開講科目から自分の希望する進路に合わせて選択することも可能です。講義や修士論文研究以外にも、各種の研究会や国内・国際会議に参加する機会も与えられ、家族的で楽しくも厳しい生活を過ごすことになります。
大学院後期(博士)課程では、研究者になることやより高度な知識の習得を目指して、国際的トップレベルを意識した研究主体の生活を送ることになります。単に教えてもらうことから脱皮し、ハイレベルな研究テーマに対して、指導教員や国内外の研究者と議論することによって、自分で考え自分で解決できる能力を身に付けることになります。
Grant opportunities
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